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他愛もない会話を続ける中、徐々に出店はなくなり代わりにホテルや宿屋などが現れた。
みすぼらしかったり、少し装飾に凝っていたり、馬鹿みたいに派手だったりと、様々な建物が並ぶ中、キリエは興味深そうに一つを指差した。
「あれ、なんてかいてあるの?」
「あー……あれは」
ピンク色中心に塗装された、ここらではえらく可愛らしい外観に、キリエはいつも目を奪われていた。
いつもはじっと見詰めるだけだったが今日は違ったようだ。
「キリエは知らなくていいところだよ」
「どうして? かわいいお店だよ?」
そりゃあ外観だけ見れば可愛らしく人目をひくものはあるが、彼女にあれが娼婦館だなんて口が裂けても言えない。
言いたくもない。
「あそこは中で悪いことばっかしてるから、キリエは近寄っちゃダメだぞ」
「へぇー。そうなの」
昼間だというのにも関わらず人が出入りする館を見ていると、フォレストの住民たちが如何に飢えているのかがわかる。
比較的風俗が多いホテル通りは何度通ってもあまりいい気はしないものだ。
同職に就いている自分が言えたことでもないか、とクレドはなんとも言えない気持ちになる。
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