Little gir l‐ 幼女 ‐

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 勘の良いクレドはすぐに、彼女が何かに恐れるような出来事があったんだと悟る。  わざわざ王族の屋敷から逃げ出してくるくらいだ。  キリエでは耐えられそうにない事があったに違いないと、彼は僅かに顔を顰める。 「怖く、ない……?」  彼女は水面のように揺れる瞳を細めて、下唇を噛む。 「怖くないよ。俺が絶対に護るから」  そのために、彼は強くなった。 「護ってくれるの……?」 「ああ。当たり前だろ。キリエは俺が護るよ」  キリエの前でしか見せない、彼の穏やかな微笑。 それを見た彼女はソファーから下りて、彼の膝の上に乗ると 首の細い腕を回し、抱き付いた。 「もう……誰も、たすけてくれないって、思ってた……っ」  離れていた12年間、その長い時は確かに彼女にとてつもない孤独と恐怖を植え付けていて、これからの人生は絶望しかないんだと諦め掛けていた。  クレドにまた会えることができて本当に良かったと、キリエは心の中で感謝するしかできなかった。  その頼りない体を抱き返すと、更に強く抱きつかれるがクレドは優しく頭を撫でてやる。 「だいすき……クレド……だいすき」  涙声で告げられるその言葉に、クレドは小さく反応する。  それは、自分と同じ種類の"好き"だと思っても良いのだろうか。 「俺もだよ……キリエだけだから」  しかしキリエの想いを知る術など持ち合わせておらず、彼はそのまま確認しないで愛を囁く。  クレドが言う、愛の意味をキリエはわかっているのかすら、わからないが、今はこのままでと願う。
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