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トーマのスピカから自宅へ帰っているクレドとキリエは、相変わらず手を繋いでいる。
それを驚いたように遠くから見る輩達は2人を交互に見る。
彼にとってはそんな煩わしい視線さえも優越感に変わる。
しかしその一方では、自分への敵意が彼女へ向かってしまったらと、もしものことが不安になるのである。
クレドへ敵意を抱く者など、恐らく後を絶たないだろう。
それ程彼はこのフォレストで良くも悪くも有名なのだ。
クレドを嗅ぎ回る者を潰す為、トーマによく情報を提供してもらう。もちろん有料で。
『厄介な人物』のみの情報を買い、『雑魚』は放っておくのがクレドのやり方。
最近躍起になってクレドを追っているのが、ある有名な盗賊団である。
特に恨みを持たれるような事もしていないが、彼等にとってクレドは相当気に入らない人物らしい。
キリエには恐怖心も不快感も持って欲しくない。
少女の為ならば、青年は東奔西走も厭わない。
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