Pulled trigger ‐ 引き金 ‐

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 少年は彼女が何処に行ったのかも容体も聞かなかった。  半分はどうでも良くなり、半分はこれ以上賊に関わるべきではないと判断したからだ。 「若。これからどうするんだ。あの女の“記憶”、丸々全部抜いたらしいな」 「コレもバツだ。賊に関わってた記憶なんかいらねーだろ別に」  彼女の記憶を全て抜き去り、代わりに少年がその記憶を全て覗いた。  彼女が所属する盗賊団の企みも計画も全てわかった。  とりあえずは少年達の一派の壊滅が今回の計画らしく、最終的には少年を殺す流れであった。  昼前にやっと起きた連中は、青痣で痛々しい顔をしていた。  連中を集め事の流れを説明すると、少年は最後に言った。 「皆殺しだ。誰一人許すな」
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