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少年は踏み付ける男、彼女を忌ま忌ましく思いながらももう一人の男のことを考えた。
白銀の髪とアメジストの瞳を持つフォレスト1の男娼――クレド。
3年前の忘れられないあの事件。
フォレストを牛耳っていた山賊達をたった一人で壊滅した。
トルガー盗賊団もあの山賊達を潰す気でいたのだ。
そのために人数だって集めたし、策だって練りに練った。
それなのにあの男は何もせずに単身で突っ込んでいったのだ。
それを知ったトルガー盗賊団の者たちはサッと青くなったのをまだ覚えている。
少年もまた想像も出来ないその強さに少なからずの恐怖を抱いたのだ。
早く芽を摘まなくては、トルガー盗賊団も次期に潰されるかもしれない。
少年達はそれを危惧していた。
それにこの盗賊団壊滅の件で、トルガー盗賊団の士気も上がったはずだ。
クレドを潰すなら今だ。
少年はその確信を持っていた。
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