1 chapter 新学年

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ふっと、意識が浮上した。 瞬きを数回繰り返して目をうっすらと開けた。 それから数十秒、何もない空間をただ見つめる。 ・・・ああ、朝か。 まだぼんやりとする頭でなんとか状況を理解しようとする。 ベッドの側に置いてある時計に目をやると、今が3時半ということを示していた。 あー、風呂、入んなきゃ。 なんとか上体を起こす。大きな伸びをすると少し気分がすっとした。 やっとベッドから出て適当にタンスから着るものをつかんで風呂に直行する。 朝の風呂は嫌いじゃなかった。 ズボンだけはいて風呂を出る。上がったばっかは暑いからいつもこんな感じ。 髪も乾かさない。面倒臭いから。 風呂から出たらまたベッドに寝転んだ。黒の髪が顔に掛かる、それを手でよけるとまた寝る体制に入るため目を瞑った。 何か、夢を見てたような気がする。 どんな夢だったかは思い出せないけど。 きっと、いい内容じゃなかったんだ。 最後に考えていたのは、たぶんそんなようなこと。 自分が寝たということは、次に起きたときまで気付かなかった。  
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