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ふと辺りを見回すと、そこは戦場だった。
荒れ狂う土地。
人やそれ以外の叫びや呻き声。
吸えたもんじゃない淀んだ空気。
地面に飛び散る赤、青緑や黒。
息をしていない、人や魔の物。
未だぶつかり合う、人と人外。
そのど真ん中に立っていた。
すぐ側で人が魔物を切りつける。かと思ったら魔物は人の頭を丸呑みにした。
また別の場所に目を向けると人の発動した魔法が魔物の内臓を抉り、その逆もあり。魔法同士がぶつかり合った。
慣れているはずの異臭が胃の奥を刺激し、何かが込み上げてきそうになる。
それをなんとか堪えると、自身の両手に視線を移した。
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