1 chapter 新学年

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起立礼をした後、俺はすぐに机にだらけるように伏せた。 担任が出ていくと、生徒が各々と動き始める。 だらけている俺のとこにも1人、男子生徒が近付いてきた。 「やーい、怒られてやんのー」 「うっさいなー」 1年のときからクラスが一緒で仲良くなったカイト。 自分も寝坊で遅刻ぎりぎりのくせに人にとやかく言ってくるかなりうざい奴。 「好きで怒られてんじゃないよ」 「ははっ、珍しく早起きなんてするからだばーか!」 「カイトに馬鹿なんてゆわれたくないわばーっか」 俺とカイトはいつもこんな感じ。お互いに馬鹿やって気さくなに絡む仲。1年つるんでたら自然とこうなってた。 一緒にいると気を使わなくていいし楽。 そんなカイトが俺の友だちの1人。ほんと、いい奴だとは思う。馬鹿だけど。絶対口にはしないけど。 「お前ら馬鹿馬鹿うっさいんだよ」 別の男子が1人、また側によってきた。 「キリヤ!」 キリヤも1年の時から同じクラスで一緒にいた。いつも落ち着きぎみで冷静な突っ込みをくれる。 クールだと言う奴もいるけどキリヤは決してそういうのじゃない。クールな時もあるけれど。 俺とカイトが馬鹿やってるのをいつも止めてくれる、まとめ役みたいな感じ。 たぶん俺とカイトはキリヤがいないとやってけないと思う。それだけキリヤしっかりしてる。 「だって馬鹿に馬鹿とかゆわれたんだけど!」 「あん?馬鹿にばかってゆって何が悪い!」 「うっさい!カイトより馬鹿じゃないしな!」 「うるさいのはそっちだ童顔!」 っ、人が気にしてることを! 「今顔とか関係ないじゃん!」 「大ありだばーか!!」 睨み合う俺とカイト。 でもそんな空気も神の一声で一瞬で終わる。 「煩い、馬鹿は2人共だ。さっさと帰るぞ」 「・・・は~い」 キリヤに言われ渋々鞄を持つ。 うわ、授業ないとかほんと楽。 少しだけ嬉しい気分になった。  
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