13 chapter 始動

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「ハズキも無茶はしないでね」 「分かってる」 小さな笑顔で頷くハズキに拳を作ってそれを向ける。意味をすぐに理解したハズキは同じように手をグーにして向けてきた。 「生きて、一緒に中央に帰ろう」 「・・・ああ」 コツン。 拳をぶつけ、約束する。絶対、中央に帰るんだって。死んだりなんかしない。 生きて、平和な日常に戻るんだ。 「ここは、頼んだよ」 「うん」 それっきり、ハズキは背を向け駆け出した。引き留める者は誰もいない。 そして俺は、本当に1人になった訳だけど。 目を瞑り、今やるべきことを再確認する。 第一は、ここにいる中央国民の安全の確保。それはもうハズキの結界で事足りているから問題ないとして。今の最優先はその安全の維持だ。 ハズキの張った丈夫な結界でも、長時間攻撃を受けていたらいつかは綻びが生まれ、そこから亀裂ができる。 つまり、外にいる魔物の数をある程度は減らさないといけないわけだ。ハズキがこの魔物達の出現地を特定してその元凶を破壊してくれるまで。 そうと決まったら即行動。俺も結界の外に出ようとした時、遠慮がちに声を掛けられた。 「な、なあ」
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