プロローグ

2/6
前へ
/6ページ
次へ
 みんなはこんなことを思ったことはないだろうか。「あの時俺はなんでこうしなっかのだろうか」と。  俺はいま“それ”を思っている最中なのです…。  今年の春高校を無事に卒業した俺は、4月から始まる大学生活に胸を躍らせていた。高校では部活と勉強で恋愛もバイトもできなかったから。大学に入学したら、一人暮らしで自由だし女の子いっぱいいるし、サークル入ってバイトもして絶対に楽しいはずだ!なんて思って。 「あーバイト決まんないし、部活きついし、教授の授業へったくそだし、自炊も面倒くせ」 GWが終わった5月半ばの昼食中新しくできた友達のモブがぼやいた。本名は藻川 風太郎(もがわふたろう)だから、ふが濁ってモブと呼ばれている。 「確かに思い描いた生活とは言えないよな」 学食のチキン南蛮を口に運びながら答える。ここのチキン南蛮は意外とおいしいのでお気に入りだ。  大学に入学して、早1ヶ月半がすぎた。思い描いた生活とはかけ離れ、自由ではあるが親というリーサルウェポンを失った俺は面倒なことで押しつぶされている。今まで親がやっていたことを一人でやるというのは、RPGでラスボスが3回くらい復活するくらい疲れる。なので、昼は確実に学食で済ませる。その所為でお気に入りまでできてしまった。  さらに、大学生活は意外と女の子との交流が少ないんだよ~!!  そんなこんなで、俺は既に‘後悔’をしているのだ。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加