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もうGWが終わり、そろそろ梅雨に入りそうな季節なのに夜はまだ肌寒い。そんな中、彼女は公園の隅のベンチにチョコンと座って俺が歩いて来るのを見ていた。
「こんばんは」
「こんばんはじゃないですよ。で、なんですか?俺にとって重要なこととは」
俺は悪態をついてる様に振る舞いながら彼女のことをさぐってみる。が、彼女はそんなことまったく気にしないで話を進めた。
「君は‘こうかい’してないかい?」
「は?」
話がまったく見えないんですけど…。‘こうかい’?それは、某海賊団が現在進行形でやってるやつですか?それとも、あれか。一般に見せびらかすやつのことか?
「だ・か・ら、君は過去を青春を‘後悔’してないかい?」
「……ますよ」
俺は心の中が見透かされたようで、数秒黙ってから俯いて答えた。髪の隙間から彼女の顔を見ると。「は?」って顔で俺を見ている。その顔がまたうざい。
「してますよ。‘後悔’してますとも!」
俺の言葉を聞いた途端に彼女の表情が晴れた。それはまるで、新しいおもちゃをもらった赤ちゃんのようだった。
「その答えを待っていたよ。君にはチャンスがある。だから、青春の‘航海’に出てみないかい?」
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