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パンザマストが鳴り響く午後5時。
学校からは終わりのチャイムと生
徒の声が響き渡る。
「やっとおわったー!」
茶色の髪をなびかせ、校庭を歩く。よこには2人の女の子がいた。
「久しぶりに影踏み鬼しない?」
黒いポニーテールの優香が言う。
「いいね!やろうやろう!」
桜はノリノリで優香とハイタッチする。
「あ!」
焦げ茶のツインテールの蘭が声を上げる。
「どうしたの?蘭」
「学校の七不思議しってる?」
「あぁ。パンザマストが鳴り響く
午後の赤空の下で影踏み鬼をすると呪われるってやつ?」
「そうそう!」
そう、これは昔々のお話。
<ある村に小さな女の子がいました。その子は不思議なことに、未来に起こる災いや天気を当てることができたのです。村の人たちはその子を君悪がり、ある日殺してしまいました。
彼女には秘密がありました。それは[影]との契約。影に宿る神、神影と契約をしていたのだ。彼女の神影は白い九尾。彼女は村の人達を憎み、憎しみはやがて復讐へと変わります。彼女は神影に言いました。「私に力を頂戴」神影は言いました。「アナタの魂を私に預けなさい」彼女は頷き、神影と約束しました。そして彼女は神影の力を借りて人の影を操り、人を殺して行きました。>
この地域にはその言い伝えがあるのです。パンザマストが鳴り響く時間は赤い空。昼と夜の魔物が出る時間。そのため、パンザマストが鳴る時間には影踏み鬼をしてはいけない、と言われ続けています。
「あれ?もしかして怖いとか?w」
「そんなわけないでしょw」
「じゃあ、やろ!」
三人はじゃんけんをして、鬼を決めました。負けたのは優香。
「負けちゃったぁ。じゃあ、いくよ~」
いーち、にーい、と数えていく優香。2人は優香から離れて行きます。
「…10」
よし!っと優香は呟き2人の後を追いかけました。
30分後、2人は優香に捕まり、話しながら分かれ道にきました。
「じゃあまたね~!」
と手を振りながらそれぞれの道を歩いて行きました。
「ふぁー。疲れた!でも久しぶりの影踏み鬼、楽しかったな」
優香は鼻歌を歌いながら暗い道を帰りました。そう、これから大変なことが起こることも知らずに。
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