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次の日
「おっはよ~!」
桜が元気な挨拶をする。席に座っていた蘭が桜に手を振る。
「相変わらず元気ね」
くすっ、と笑う。
「笑うなよ!…それにしてもこの時間に優香が居ないなんて珍しいわね」
寝坊じゃない?と蘭。
そうかもね。と桜が言った時、教室のドアが開いた。
「先生?慌ててどうしたんです?」
「…優香の死体が見つかったそうだ」
「え!何時ですか?」
「昨日の夜、優香が帰ってこないという電話があったんだ。警察に電話して探してもらったら帰り道に血だらけの優香がいたそうだ…」
「そんなっ…」
2人の脳に浮かんだのは…
「もしかしたら、もしかしたら昨日の…影踏み鬼かもしれない」
「は?君たち、影踏み鬼をしたのかい?」
コクリ、と2人は頷く。
先生は顔を青くして口を開いた。
「影の呪い…目立った傷はなし。ただ、あるとすれば…心臓だけなくなっていて何処からか血が溢れ出してくる…」
「え…」
「優香は影踏み鬼で鬼になったのか?」
「う、うん」
そうか…と先生は廊下のほうへ歩いていく。
なんで、こうなってしまったんだろう。ただあの時は楽しく笑いあいたくて、ただ遊びたくて。こうなるなんて誰も考えなかった。
「…私、今日の5時に影踏み鬼で鬼をやる」
桜が言った。蘭は目を見開き桜の腕をつかんだ。
「ちょっと!今の話し聞いたでしょ?あんた死にたいの?」
「違う!私は私は…優香を助けたいの。優香が何に殺されたのか、知りたいの…放っておけない」
震えた声で桜は言う。
「…わかった。私も、手伝うわ」
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