†Prologue†一つ目の後悔

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七月十三日の朝。 私が会社に着くと朝礼は始まっていた。 専務が何かを言っている。 「まだ三十三の若さで……」 「幸いにも子供もおらず……」 私の目の前は真っ暗になった。 ††† トイレの掃除をしながら、私は一人、泣いた。 こんな事になるなら言えば良かった。 伝えれば良かった。 後悔してもしても、し尽くせない思い。 ††† 朝の2時頃…… 時速百キロ以上で彼は永遠に還らない人になった。 ††† これが人生、一つ目の後悔になった。 †††
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