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過去形だったことに疑問を抱くが、とりあえず、誰かと飲む紅茶が好きなことは確か。もし、その誰かが彼だったらどんなに嬉しいことか。
「誰かと飲む紅茶ねぇ…いいじゃんいいじゃん!今度、クスノキさんも誘ってさ、皆で庭でお茶会やろうか!紅茶はなにがいいかな?ダージリン?ジャスミン?あ、確か、桜のお茶みたいなのあったなー」
楽しそうな彼。
多分、彼もお茶が好きなのだろう。聞いたことのない銘柄が続々と出てくる。
この家の庭でお茶会か。綺麗な池を見て、桜が咲いてて、美味しいお茶とスコーンを食べながら皆とお話する。なんて、楽しそうな事だろう。
「出来れば、彼らも呼びたいですネ」
「……え?」
「はい?」
驚いた顔で私を見てくる。私、なにか変な事を言ったのかな?その前に、私、なにか言ったかな?
「あの……?」
「いや、なんでも無い…。ほら、ここがご飯食べるところだよ」
話をしながら歩いているとあっという間についてしまった。
此処がと言われ、案内されたのはダイニングという場所だろうか。申し訳ないが、さっきの部屋とドアが同じで見分けがつかない。ていうか、この建物の中は、全部同じドアで統一されすぎて、何処が何処たかわからない。
部屋に入ると、クスノキがすでに席についていた。テーブルの上には、魚、スープ、サラダと茶色のなにか。なんだあれ。
「……これ、なに?」
「んぁ?これは、煮物よー。あ、マギって西洋の人間だから見るの初めてかー」
「ニモノ…」
食べるには、なんとも言えない色の食べ物。それを、彼は「いただきます」といってパクパク食べる。
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