目覚めの景色は

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そう、確か小生は、原因不明の事件を解決すべく兄さんたち破壊された街へ行った。そこで、魔力を持つ人間に出会って戦闘に突入。アイツが反則級に強くて…… そうだ…… なんで、大事なことを忘れていたんだろう……… 「兄さんっ!さざ姉ぇっ!ヴィネアっ!呉っ!セパルっ!」 共に来ていた仲間の名前を起きながら叫ぶ。 さっきの痛みは忘れていた。 辺りを見回しても彼らの姿は見当たらない。一体、どこへ行ったのだろう?まさか、生き残ったのは自分だけ?いや、そんな事はない。ただの人間が魔力を持っただけの小生が、悪魔や妖怪よりも長く生きるなんて事はない。この場合は、小生が死んで、彼らが生き残るのが当然。それなのに、小生が生きている。ということは、少なからず彼らも生きているというわけだ。 ゆっくりと立ち上がる。立つだけでフラつくなんて、どんだけ酷い怪我をしているのだろう。そう思い自分の身体を見る。 全身血で赤く染まっていた。掌に関してはヤツに踏まれたせいで青黒い。そう言えば、随分痛めつけられた気がする。内臓の損傷も激しいだろうが、肋も何本か逝っているだろう。唯一の救いは、その骨が臓器に刺さらなかったことだ。 「…………ここどこだし」 見事なまでに壊された何か。建物なのかなんなんかさえ検討もつかない。一部、風化していたり雨のせいで溶けていたりしているのもあった。本当に何処だここ。 何分も何時間も歩き続ける。食料もなければ、水もない。ここにあるのは絶望だけってか?
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