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結局、あれから3日の月日が経ったがマギサが目覚める気配はない。
「蝶々様。お休みになられなければ、今度は、あなた様が倒れてしまいます。どうか、お休みになってください。」
クスノキさんが心配そうに言う。しかし、彼女も小生に付き合い3日間まともに寝ていない。正直なところ小生よりも彼女の方が心配になる。
「小生は平気って言ってるっしょ?3日や5日寝なくてもコーヒーさえありゃ生きていけるのよ~。そんなことより、クスノキさんの方がヤバイんでなーい?」
へらっと笑い指をさす。
クスノキさんは「人に指をさすんじゃありません」と叱るが彼女自身、限界が来たようだ。渋い顔で休むことを言う。
「正直なところ、あなた様の仰る通りでございます。畏れ多い事ではございますが、今回は、あなた様が仰るよう先に休ませていただきます」
「やっとおれたな。小生の事は気にせずゆっーーーーーーくり休んで来てね」
わざと、ゆっくりを強調し語尾に星がつくように喋る。
クスノキさんは、観念したかのように部屋から退出した。
「……ねぇ、兄さん。兄さんは、小生に何を託そうとしたん?小生は、希望も何も持ち合わせてない何も出来ない、ただのガキだよ」
「そんな……こと……ない、です」
「!?」
突如背後から声がした。
今、小生は、マギサが寝ている布団に背を向けている状態だ。それを考慮したうえ、その声の主は必然的に彼女のものだろう。
そうなると
「マギサっ!!やっと、目が覚めたんだね?!身体は!?異常は!?」
マギサの両肩を掴み詰め寄る。
彼女は、少し困ったように笑う。
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