10年前

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その後も、教室へ入ってくるクラスメートを捕まえては質問していく。 誰か何か聞いてないかと気にはなるが… それよりもばっちゃんが気になって、その輪の中には入る気になれなかった。 ざわつく皆とは離れて、窓側の自分の席につく。 何となくぼーっと窓から外を見ていれば、 「うわぁあ、どしたんやのお前!そん顔!!」 ひときわ大きい声が上がった。 驚いたのもあって振り向けば、そこには目をパンパンに腫らしたえっちゃんがいた。 「何もないがね。  昨日お母さんと喧嘩しただけじゃ」 そう言って周りから逃げるように、私の前の席に座った。 「美弥ちゃん、おはよう」 「えっちゃん… ほんにひどい顔しちょるなぁ」 えっちゃんは顔をクシャッとさせて、困ったように笑った。
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