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その後も、教室へ入ってくるクラスメートを捕まえては質問していく。
誰か何か聞いてないかと気にはなるが…
それよりもばっちゃんが気になって、その輪の中には入る気になれなかった。
ざわつく皆とは離れて、窓側の自分の席につく。
何となくぼーっと窓から外を見ていれば、
「うわぁあ、どしたんやのお前!そん顔!!」
ひときわ大きい声が上がった。
驚いたのもあって振り向けば、そこには目をパンパンに腫らしたえっちゃんがいた。
「何もないがね。
昨日お母さんと喧嘩しただけじゃ」
そう言って周りから逃げるように、私の前の席に座った。
「美弥ちゃん、おはよう」
「えっちゃん…
ほんにひどい顔しちょるなぁ」
えっちゃんは顔をクシャッとさせて、困ったように笑った。
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