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結局親に怒られたりで、皆、詳しい事は教えてもらえなかったらしい。
ただ分かったのは「この事はあまり口にすべきではない」ということだけだった。
私もえっちゃんも元気がないまま一日を過ごし、神社の裏で待ち合わせをして家の前で別れる。
家でも学校でも話しにくくなった話題だけど、えっちゃんには相談したかった。
と同時に、えっちゃんも同じような事で悩んでる気がしたから。
「えっちゃん…昨日なんかあったんか?」
「…昨日…お母さんに赤ちゃんの事、聞いたんじゃ。
それから…太一は、どっから産まれたんか…て」
下を向いて話すえっちゃんの声は、少し鼻声で聞きずらかった。
「うん」
「教えてくれんで…私、ひつこぉ聞いたんじゃ。
そしたらお母さん……怒鳴りながら泣きだしてしもた」
「そぉか…」
何となく、それしか言えなかった。
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