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目の前でお母さんが泣き出すのは、普通ではない。
えっちゃんのお母さんは明るくて、ちょっと怖くて。
でも元気な人だった。
そんな人が自分の前で怒鳴りながら泣く…
えっちゃんがショックを受けた理由は、嫌でも理解が出来た。
「うちもじゃ。
ばっちゃん、泣きはせんかったけど…
怒鳴りつけて、あんな感情的になったんは初めて見た」
「美弥ちゃんとこもか…」
「うちらだけやない。クラス皆そうじゃ。
やっぱり…正吾の言うた呪いはホンマなんかなぁ…」
二人でこんな話をしたところで解決なんかするわけもなかった。
ただ、もうこの話を他でするのは止めようと。
どうしても話したかったら、二人で話そうと決めた。
思えばこの時からえっちゃんと、えっちゃんのお母さんはボタンを掛け違え始めたんだと思う。
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