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「ばっちゃん、ただいまー!
えっちゃん家さ行ってくるー」
開けっ放しの玄関へ、ランドセルを投げ放つ。
台所にいるだろう、ばっちゃんに声を掛けてから、返事を聞く間もなく外へ飛び出た。
家を出ればすれ違う皆が
「吉川んとこの美弥ちゃん、おがえり。
あんま走って転げんようにしなよー」
と口々に声を掛けてくれる。
だから私も
「トシのばぁちゃんももう歳やけぇ、気ぃ付けやー」
なんて走りながら返す。
この村は皆知り合いで、仲間意識が強かった。
学校を遅刻しただけで、その日の帰りには何でか村中に知れ渡っている。
この村しか知らない私は、これが普通で当たり前だと思っていた。
それでも、ある程度大きくなった頃から…
不思議に思うことが多くなった
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