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柚羽:「あっ..」
入り口手前で急に足を止める柚羽。
渚:「柚羽チャン?どうした?」
追い付いて見ると、柚羽の目の前に黒いコートを羽織った怪しげな男が立ち塞がっていた。不気味な笑みを浮かべながらその男は喋り出す。
?:「オット、これはこれは失礼。怪我ァ無ェか?」
柚羽:「ぃ、ぃぇ..」
言うと同時に渚の後ろに駆け出す柚羽。
渚:「大丈夫かい?」
突然現れた不審な男に警戒しながら、柚羽を守るように前に出る。
遅れて後を追ってきた真紅は、男を見て驚愕する。
真紅:「おい、何やってんだ?早く行く..ぞ?って…ぉ、お前は!?」
有り得ない光景に、自分は未だ夢を見ているのではないかと錯覚に陥る真紅。
紅煉:「ヨーォ。覚えてたかァ?約束、果たしに来てやったぜェ..」
紅煉は右手を大きく挙げて真紅に視線を向ける。
渚:「なんだよ。お前の知り合いか、真紅?」
怪訝な表情で視線は目の前の男に向けたまま問う渚。
後ろに隠れながら警戒しまくる柚羽。
真紅:「くっ!知らねーよこんな奴っ」
渚:「はぁ?」
混乱した様子の真紅を見て混乱する渚。この場がだんだんとただならぬ雰囲気の様に感じ始める。
紅煉:「お喋りは、終わったか?」
ニヤリと不気味に微笑む紅煉が一歩足を進めた瞬間、真紅が叫んだ。
真紅:「渚っ!柚羽を連れてここから逃げろ!!」
言いながら、真紅は全力でこっちに向かって走ってくる。
渚:「えぇ!?」
真紅:「早くっ!!!」
渚:「わ、わかったよ!柚羽チャン!」
柚羽:「ええ!」
柚羽の手を取り駆け出そうとするが、すぐにそれは遮られる。
紅煉:「まァ、そう逃げんなよ」
紅煉の影が渚と柚羽を追いかける。異常を察してその影に飛び付く真紅は一歩間に合わなかった。
渚:「ぅわっ!?」
柚羽:「きゃぁ!!」
突然浮かび上がった紅煉の影が、渚と柚羽を捕まえて紅煉の両端まで吊るしながら持っていく。
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