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閉ざされたカーテンの隙間から暖かな日差しが漏れて、ベッドに眠る少女の方向にまっすぐ降り注いでいる。窓の外では雀の親子が仲良くさえずっている。
それだけならばとてもありふれた、微笑ましく感じる光景なのだけど..
その光景に反して、少女は悪い夢でも見ているのだろうか、額にうっすらと汗を浮かべながらうなされているのだ。
ふいに、少女はピクリと眉をしかめた途端、掛け布団を吹き飛ばす勢いで半身を起こした。
美紗:「ぷはっ!!…夢かぁ、焦った。最近映画の観すぎですかねー(汗」
とかなんとか言いながら、今日も美紗の1日が始まろうとしているのです。
途端に、何かに気付いたように慌てた様子で時計に目をやると、驚きに目を見開いた表情が一気に落胆の色に変わっていく。
美紗:「…っ!?あぁあぁああ!遅刻っ!…してるし(涙」
現時刻は8時50分。そして美紗は現役高校生。登校時間の8時20分はとうの昔に過ぎ去っていた。
昨日、遅くまで最新のホラー映画を観ていたんだっけ。ヴァンパイアとかライカンスロープとか、怪人系のアクション系な…。
落胆に再び半身を布団に沈めてそんな思考を巡らせていると、トントンと誰かが部屋のドアを優しくノックした。
いや、その主が誰なのかはすぐに推測できた。
林檎:「美紗~!そろそろ起きなきゃ遅刻よ~(素」
これでも一応二児の母なのです。
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