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渚:「なんだよ、いきなり電話なんかしてきて。お前から電話なんて珍しい事もあるもんだな」
真紅:「ぉ、おい、そこまで言うかよ..」
どうやら電話で会話をしている様子の二人。
渚:「んで、話って何だよ?」
真紅:「良いか?ホントに言っても良いのか??」
渚:「..やめとくわ。じゃ」
そう言って本気で電話を切る渚。
真紅:「まぁまぁ待てよっ。やっぱ言うから!」
慌てて掛け直した真紅。
渚:「俺は別に聞かなくても..どうせろくな事でもないんだろ?」
真紅:「なんだよぉ。せっかくよぉ。親友のよぉ。お前のよぉ。手助けをよぉ..」
渚:「だぁー!わぁったからその憎たらしい喋り方やめろって!!」
真紅:「ホントか!?じゃぁ早速言うぜ?まず確認だが、お前さ、柚羽の事が好きなんだろ?」
渚:「…」
真紅:「…ん?」
一瞬の沈黙。
渚:「んだとぉぉ!?」
真紅:「へへっ図星か。やっぱりな!」
渚:「頼むから不意を突くのはやめてくれっ」
真紅:「ま、どっちが悪いって言えば、隠してる方が悪いよなぁ?」
渚:「お前に話したところでろくな事にならないだろっ!てかその事..」
真紅:「"柚羽に言ったらぶっ殺す"だろ?そこは気にしなくて大丈夫だ。どのみち、あんなお嬢ちゃんが貧相なお前と釣り合うと思うか?」
渚:「そっちの心配かよ..」
真紅:「軽い冗談はこれくらいにして。まぁこの俺に任せとけって!情けないうじうじ君のために、既に一肌脱いだところよ!」
渚:「脱いだって..既に過去形か!?」
真紅:「明日10時半に駅前な!しっかり行ってこい!!いやぁ、これでも取り繕うの苦労したんだぜ?」
渚:「は…っ?お前何を勝手な事を..!?どうゆう事だよっ」
真紅:「どうゆう事って、柚羽とのデートに決まってるだろうよ。男なら、ドンと当たって砕けてこい!」
渚:「お、お前も来るんじゃ、ないのかよ..」
若干しどろもどろになりかける渚。
真紅:「ぉ、何だかんだ言っても乗り気じゃん?仕方ないな、付いていってやるか。今回だけな!」
渚:「はぁぁぁぁ」
通話終了ボタンを押してため息を吐く渚。
渚:「何を考えているんだアイツは..」
その夜、渚は人生初の不眠症に悩まされたのでした。
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