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真紅:「それにしてもお前さー、あのツンデレお嬢のどこが良いのよ?俺にはさっぱりわかんねぇ!断然、美優の方が良いと思うけどな~」
両手を組みながら「うぅん」と唸る真紅。
待ち合わせの駅前のベンチに座りながら柚羽を待ちわびる二人。
渚:「そっちこそ、究極のシスコンを絵に描いたような美優のどこが..」
言い返す渚に、真紅は「なんだとー?」と立ち上がって更に言い返す。
真紅:「お前には愛が足りないんだな。ちゃんと夢とか持ってるか?美優はただのシスコンじゃーねえ!アイツの中には愛があるんだよ、愛が!」
渚:「その愛ってのも、自分の姉に対する一方通行モンだろ?てゆうか、そっちの方が付け入る隙も無いような気が..」
普段の真紅の相手にされなさぶりを思い出して、逆に哀れみの気持ちが込み上がってくる。「次は俺が機会を作ってやろう」と固く心に決めた渚だった。…美優から美紗を引き離す自信は無いが。
真紅:「そんな目で見るなよ。俺は良いんだよ別に。遠くからもうそ..見てるだけで、良いんだよ。満足なのさ..」
渚:「何を言いかけたかは問わないが、その思考をそのまま本人にぶつける事が無いように祈ってるよ」
くだらない会話が続いていく。渚は頭に腕を組みながら平然を装ってはいるが、時折キョロキョロと忙しない様子。5分ほど前からその挙動に気付いた真紅は笑いを堪え続けている。
真紅:「お前も変わってるよなぁ」
渚:「いや、お前には言われたくないがな」
本人にとっては暇潰し…だと言うのは本心なのだろうか?こんな企画を立てて実行するようなお人好し加減には呆れた様子の渚だった。…と言っても、満更でも無いのが渚の本音。
真紅:「しっかし遅ぇな。アイツ、ホントに来んのかな~?」
約束の時間は10分前に過ぎていた。若干疑いの念を抱き始める二人。
渚:「いや、呼んだのお前だろ?お前がそんなこ..と..」
いきなり言葉を詰まらせる渚。どうやら真紅の後ろに視線がいっている様子。
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