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真紅:「さぁ、ずべこべ言ってないで行くぞ!お前ら!」
「俺についてこい!」と張り切りながら先導する真紅。何処へ行く気なのだろうか..。
柚羽:「そうね。行きましょ、渚?」
何だかんだで楽しそうな柚羽の様子に「ぉ、おぅ」とぎこちなく答えながら、ひとまず胸を撫で下ろす渚。そして、気の向くままに歩き出す三人。
数時間後に訪れる悲劇へ向かって…。
....
とある展望台に行き着き、物珍しげにはしゃぐ柚羽は時折プチ迷子になっていたり。数人の男に絡まれているところを、鬼の形相の渚が追い払う。
柚羽:「一体、何だったのかしら?誘拐して身代金でも要求するつもりだったのかしら..?」
どうやら、街の男達に対して悪印象を抱いたらしいお嬢様。
渚:「柚羽チャンは俺が守るから、安心して歩いてくれよ」
柚羽:「ふふっ。それは頼もしい限りね..」
そう言って、にこりと笑みを浮かべる柚羽。
真紅:「!(ゾクゾクッ」
その柚羽の笑みに魔性と言う言葉を思い出す真紅。
柚羽:「…真紅も、ね?」
真紅:「ハイッ!」
渚は騙されている!と直感してしまう真紅だった。
しばらく歩き続け、とあるファミレスの前を通りかかると顔見知りの姿が目に入る。
柚羽:「あら..?みゅうにみしゃじゃない?」
渚と真紅は柚羽の指差す方向に目を向ける。その先には、美紗と美優が仲良く向かい合い座る姿が。
柚羽:「ねぇ、渚。私もみしゃ達とお茶をしたいわ。良いでしょう?」
両手を合わせて上目使いにおねだりをしてくる柚羽の姿に、渚は一瞬ドキッとしてしまう。
渚:「ぁ、あぁ。柚羽チャンがそうしたいなら..」
真紅:「甘い!甘過ぎるぞ渚っ!たまにはお前から引っ張らなきゃ女は付いてこないん…っとぉ!?」
言い終わる前に柚羽の日傘が眼前まで迫り、慌てて身をよじってそれをかわす真紅。
真紅の言葉を聞き終える前にくるりと踵を返した柚羽は、「勝手な男は好かないわ」と言いながらファミレスに向かって歩き出す。
渚:「だってさ」
その様子を見てけたけたと笑い出す渚。
真紅:「くぅ~!好きにしろっ」
ため息を吐きながら、せっかく練りに練った"頃合いを見て二人きりにさせよう作戦"を思考からシャットダウンさせて、真紅は二人の後を追う。
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