序章

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 まったく、と微笑みながら愛娘を送り出し、リビングに戻ると… 美優:「ママ、おはよ。朝から何騒いでるの?」  もう一人の愛娘(美紗の双子の妹。二卵性なので顔は若干違います)が、冷蔵庫から牛乳を取り出しながら怪訝な表情を母に向けていた。 林檎:「あら、美優が寝坊なんて珍しいわねぇ。朝ごはん、食べるでしょ?」  寝坊?何のこと…?と一瞬思ったが、その思考はテーブルの上に乗せられた、大皿に並々と盛られたハードな朝食のインパクトによって消し飛ばされた。 美優:「朝ごはん…?ぇ、遠慮しとくわ(汗」  肉は苦手だ。それに朝から何を作っているんだこの母は。と心の内で呟き、牛乳の注がれたコップに口を付けながら、酢豚から離れるようにソファに腰かける。 林檎:「あらそぅ?ダメよ、いつまでも好き嫌いしちゃ」  腕を組み、しょうがない子ねと言わんばかりに右手を頬にそえる。 美優:「肉だけは絶対イヤ!それよりもお姉ちゃんは?珍しいじゃない。"日曜"にこんな早起きなんて…。男でもできた?」  そこで忘れかけていた疑問が脳裏に蘇る。さっき確かに、姉と母が玄関先で会話をしていたはずだった。まるでいつもの平日、学校へ送り出すような…? 林檎:「へ?ぁ、そういえばー…今日って、日曜だったわね~…(汗」  流石の母も、この場合は焦りを伴うみたいです。 美優:「…?」  この10秒後、美優は盛大なため息の後、母に負けんばかりの天然ぶりを現在進行形で発揮している姉を迎えに行くことになるのです。 その頃。 美紗:「ちっこく遅刻ぅ~!ぁ、もうしてるのか…ゆっくり行こうっと。なんか今日人多いし(素」  天然ボケ、若年性痴ほう症。もうそれ以上言うことは無いでしょう。 ..to next。
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