1章†夢の果て

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 美紗が美優をなだめて、二人は買い物に出掛けている。一度解放された母が口にした一言のせいで少し時間をとられてしまった。 林檎:「朝からお肉はさすがに重いわよ~(涙」 美紗:「よし!みゅう、やってやれ!!」 美優:「(スチャッ)」  箸に串刺した酢豚をかかげ、美しくも残酷で妖艶な笑みを浮かべる美優。 ...  そんなこんなで、仲良くショッピング中の姉妹。と言っても特に何かを買うわけでもなく、ウインドウショッピングがメインだったりする。合間に気に入ったものがあったら買う、みたいな。  姉とこうしている時間が美優にとって何よりも幸せなひとときなのだ。 美優:「んー次はぁ..ぁ、あそこのデパートが良いかも!最近新装したみたいだよ」  こういう時はいつになく元気になる妹に逆に振り回されてしまう美紗。止めなければノンストップで端から端まで回り続けるだろう。それでも美紗なら、愛する妹のためだと笑顔でついていく。  しかし、さすがに喉の乾きには負けてしまう。 美紗:「みゅう~、その前にそこのファミレス~。喉乾いてお腹空いて死んじゃう~(泣」  後ろでうなだれる姉に制止をかけられて腕時計に目をやると、既に正午を回っていた。 美優:「そう言えばもうこんな時間..。そうね、少し休憩しましょ」  そう言ってちょうど目の前にあったファミレスに向かっていく。確かここはパフェが美味しいといつか聞いたことがある。 美紗:「ふぃー。助かったぁ..」  大きく伸びをして、すぐに妹の後を追っていく。  ドアを開けると、"カランカランッ"と小気味の良い音が響き渡る。木造の少しばかりレトロな雰囲気に二人は周りを見渡していると、すぐに店員が来て席を案内された。奥の角の窓際。陽当たりが良い感じ。  すぐに別の店員が水を持って注文を取りに来た。 店員:「いらっしゃいませ。ご注文がお決まりになりまし..」 美紗:「ストロベリーパフェとウーロン茶っ!!」  全て言い終える前に、メニューも見ずに言い放つ姉。そうだ、ここは以前姉に勧められたファミレスだった。
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