序章

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序章

 暗い、意識の底。何かが私に語りかけてくる。  暗い闇に包まれた世界。ここが何処なのか、ましてや夢か現実なのかすらも区別がつかない。  遠くから聞こえてくる声を、ただまどろむ意識の中で聞いている。 紅い満月が世界を包みし時.. 朱の獣が目覚めるだろう.. それは世界を燃やし尽くす.. 世界絶望に染まってしまうだろう.. 蒼い満月が世界を包みし時.. 蒼の獣が目覚めるだろう.. それは世界を絶望から護る.. 世界は希望の光を見出だす.. "さぁ、目覚めの時が来たよ"  最後に一際くっきりと聞こえた声に導かれるように、まどろんでいた意識が急速に覚醒していく。
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