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「敬語、やめていいですか。」
何だこいつ、いきなり先輩に敬語やめていいですかなんていきなり聞いてきやがって、なめてんのか?いいわけねーだろ。だが、まあ、そういうことの出来ない奴なんだろう。
「いいよ、もともとこの部は上下関係の厳しい部じゃないし、そっちのが近い気するもんね、全然いいよ。そのかわり、おれも気軽に美由紀ちゃんって呼ぶね。」
「うん、わかった。」
「美由紀ちゃんって色だいぶ白いよね、日焼けとか気にしてんの?」
「うん、少しだけ。」
「そうだよね~。でもさ、テニス部って結構焼けちゃうよ?」
「いいんです。日焼けしたい方だから。」
「そうなんだ。あれ美由紀ちゃん全然料理食べてないじゃん。」
山岸のサラダは一口も食べられていなかった。それどころか、箸さえ割られてない。
「いいんだよ、先輩と話しながらでも食べて。」
そう言うと、山岸はサラダをにらむように見つめたように見えた。少し山岸は黙ったままだったが、ため息と共に何かが吹っ切れたようで、強気な顔になり
「いただきます!」と言い、
むしゃむしゃとサラダを口の中に詰め込み始めた。それはまるでハムスターが食べ物を口に詰め込むようで、とても上品とはいえる光景ではなかった。やがて、皿に乗っているサラダを口の中に詰め込んだ山岸はパンパンに膨らんだほっぺたでもしゃもしゃと食べてる姿を俺に見せてきた。かなり引く。
「、、、、とっても、、、おい、、、、しいです。」
「そう、よかったね。」
この時もう俺はこの女を抱く事をあきらめていた。いや、正確に言えばあきらめたわけではなく、主目的でなくなっていた。今はこの、山岸 美由紀という女がどんな女なのか、今はただそれだけが気になっていた。
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