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ともあれ見掛けによらず真面目な俺は、年上の彼に敬意を払う事にした。
「とんでもない、少し上かな~くらい思ってましたよ。」
そして当然タメ口はやめた。
ちょっとの間疑い深い目で見られたけどすぐに、
「そっか、ならいい。」
満足げにクシャッと可愛い顔を崩して笑った。
『ドクン』
それを見た時、なぜだか鼓動が大きくなって…
なんだ?今の。
胸の辺りを撫でてみたけど、何でなのか解らなかった。
「タロちゃん、さっさと元に戻せよ。次行くぞー。」
首を傾げていると、佐川さんは撤収を始めたスタッフさん達のところにいて、何やら話し始めていた。
「え、あ、次?次って?」
「ほらほら~着替えて~」
「佐川さんに怒られちゃうよ~」
「次の仕事があるんでしょ~」
ちゃんと断れないまま、またメイクのお姉さん達にホールドされて引きずられてゆく。
「うああぁぁぁ〰〰っ!?自分で!自分でやりますからあぁぁ〰っ!!」
デジャヴュ…いや、悪夢だ…。
お姉さん達にひん剥かれながら、俺は二度目の絶叫をした。
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