―序―

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   翌日、土曜日の昼間。特にすることも無く、自宅のリビンクでゴロゴロしていると携帯電話が唸りをあげた。他でもない、亜理砂からの着信だ。  無視をする訳にもいかず、電話に出てみると 「もしもし」 「昨日できなかったから今日、作戦会議するわ。今から部室に集合よ、10分で来なさい!」 「……」  俺の返事を聞かずに一方的に通話を終了された。そうだ昨日、彼氏とやらを確認に行ったが不在のだった為、解散に成ったんだ。まぁ、それはいい。ただ、 「10分なんて無理に決まってるだろ」 ――  着替えと言っても制服に着替えると単純な物だが、学校まで自転車で行っても到着した時には10分は余裕で過ぎた。  部室の扉を開けるとタクトも居て、頬杖をつく亜理砂と目が合い。 「遅刻よ、25分もかかってるじゃない! ちゃんと電話があってから直ぐに出たんでしょうね?」 「あぁ、すまない。出来る限り急いだんだが」 「言い訳は結構よ。いいから席に着きなさい」  なら聞くな。  俺が椅子に座ると亜理砂が左から順番に紙を一枚。俺、自分、タクトの順番に配る。予想はしていたが紙には[浮気調査大作戦]と書かれていた。何が大作戦なんだか。  
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