―序―

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   亜理砂はこれでも一応、学年が一つ上の先輩。まぁ、その部長でもある先輩が言うんだから仮にも説得力があってもいいはずなんだが。  言わして貰おう。  変装する意味が無い! 俺はその彼氏を知らないし、向こうも俺の事を全く知らない。なのに何故、変装をしなくちゃいけないんだ。おかしい、おかし過ぎる。 「いや、待ってくれお互いに初対面な訳だし変装はしなくて平気なんじゃないか?」 【甘いな。 グフッ!】  黙れタクト、お前に言ってない。それにグフッ! って書くな。 「優助君、貴方は根本から甘いわ。いい? 探偵たるものいかなる時も正体をばれてばいけないの。変装なんてのは当たり前よ当たり前!」  もう、いい。やはり亜理砂に何を言っても無駄だった。
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