―序―

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   タクトの馬鹿げた内容に一速く食いついたのは他でもない。亜理砂だった。 「いいわねそれ! それでいきましょう」  亜理砂が勢いよく立ち上がる。ツインテールの髪が拍子に靡く。  全然、良くない。全く、良くない。絶対、良くない。まずありえない。 「それは流石に……」 「何を言ってるの? 決定よ」  決定って……  タクトが何かを軽く見せてきた、自然とそちらに目が移る。 【まぁ、頑張って"優助ちゃん"。グフッ!】  そう言えば俺の部屋に賞味期限の切れたヨーグルトがあったな。今度タクトに無理矢理、食わせよう。 「優助君。洋服とかは気にしないでいいわよ。こっちで全てを用意するから。貴方は相手にばれない事だけを考えてればいいのよ」 「うい、うい」  タクトも続いて頷きをする。 「……」 「さっそく準備があるから今日の所は解散ね、優助君は明日、一時に部室に来る事。いい? 分かった!?」  実際、放心状態だったのだが亜理砂の強い目力に後押しをされた。 「あぁ」 「本当に分かってるの~? 遅刻したら罰金じゃすまないわよ~」  おい、亜理砂。顔が近い。  
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