―序―

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   解散との事で自宅に帰る。報われない気持ちの中、家に着いた時には一時を回っていた。あー、腹がへった。  飯でも食おうかとリビンクに足を運び、冷蔵庫を覗く……何も無いな。 「どうしたの? 優助」  なんだ、姉ちゃんか。大の女が寝癖バンバンで腹を掻くな。それに、そのTシャツは俺のだ。 「いや、別に。ただ腹が減っただけ」 「ふーん。そこにサンドイッチがあるよ」  それはいい。グッドタイミングだ。  棚の中に確かにサンドイッチはあった。確かにあったのだが。 「一個もーらい」 「おい、姉ちゃん!」 「いいじゃん二個あるんだから」  二個しかないんだ。腹を空かしてる弟にサンドイッチ一個で我慢しろと? 足りる訳がないだろ。 「へへー。足りなかったら自分で買ってきなー」  姉ちゃんが自分の巣に帰って行く。大学が休みだと何時もこうだ。それで俺がいざコンビニに買い物へ行くとちゃっかり自分のも頼む。その作戦に乗ってたまるか。
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