―序―

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   女装と言っていたが亜理砂達、どんな服を用意するんだ? タクトの奴あの表情、絶対に楽しんでやがる。  まさか、アニメみたいな格好に……流石にないか。それとも、制服? それもないか……。どんな服が来るんだ一体。 「なぁ、姉ちゃん」 「ん、何?」 「男が女の服を着るならどんな服になる?」 「ブハ! ど、どうしたのよいきなり!? まさか、あんたそっちに目覚めた訳?」  あ……しまった。つい思いを言葉にしてしまった。 「ち、違う!」  どうしよう。何て言う? 「仮装パーティーみたいのをするんだ。そうそう、仮装パーティーをな」 「ふーん……」  なんだその目は。バリバリ疑ってる目じゃないか。それ以上、聞くな、聞かないでくれ……。 「いいじゃん、楽しそうで。でもあれね、五月なのにパーティーって」 「一年生を祝う会の出し物であるらしい」 「あー。なるほどね!」  ふー、抜けてる姉貴で助かった。  
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