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帰りのホームルーム。
「起立」
クラスの学級委員が号令を出した時だった……。
「優助君! 一緒に来て欲しいんだけど!」
一つ上の先輩。俺の部活の部長である、茜 亜理砂(アカネ アリサ)が勢いよく教室の扉を開けて登場したのは。
「優助君! ちょっと聞こえてるの!?」
来たか……。
俺はそれを見て頭を抱えた。そして、そんな俺の耳元で守が小さな声で
「なぁ優助、亜理砂さんってやっぱり可愛いよな……」
「ん、そうか?」
お前気は確かか!? と普通なら出るかも知れない。だが、確かに外見だけを見た人はそう思うだろう。金髪ツインテール、スタイル抜群で身長は低い。色白で透き通った声。
やはり、外見は可愛い。俺も正直、それにやられて部活に入ってしまったと言っても過言ではない。そのせいで今となっちゃ入る部活をしっかり考えれば良かったと後悔をしている。
「失礼しますね」
「あ、あぁ君!」
担任も亜理砂の突然な行動に言葉がつまった様子だ。ポカーンとアホらしい表情を浮かべてやがる。
「早く来なさいよ、ほら!」
「え、ちょっとまっ――」
守やクラスメイトの皆は目が点になっていて、俺は言葉むなしく腕を強引に引っ張られ廊下に出された。
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