―始―

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  「久々の依頼だから、気合いを入れてよね」  そんな事をいきなり言われても、はいそうですか。なんて言える訳がないだろ。とりあえずその手を放せ。 「因みにその依頼って」 「浮気調査よ!」  またか……。そういうのが一番最悪なんだ、去年はそれで散々な目にあったんだぞ。  亜理砂に強引に引っ張られ廊下を抜けて、階段を勢いよくかけ上がる。何一つ気分の乗らない中、三階の突き当たり部室にへと着いてしまう。  [アリサ探偵団・あなたの要望に答えます!]  胡散臭いポスターが部室の扉に貼ってある。何度見ても、なんとも信憑性にかける言葉を並べてやがる。 「タクト君、優助君を連れて来たわよ」  部室に入って亜理砂の一言めがそれだった。部室にいたタクトがコンピューターのキーボードを軽快に叩き、 「うい」 「そうよ、ターゲットの尾行を優助君に頼もうと思ってね」  妙な会話が交わされた。あー、頭痛がする。  
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