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沈黙は直ぐに破られた。扉の開く音がして、可愛らしい小さな声が
「あの~、すいません」
静かな部室に響き渡った。間違いない依頼人だ。でなければ、欲しい物が手に入り喜ぶ子供の様な表情を亜理砂がするわけがない。
「うい……うい」
タクトの無愛想な対応が聞こえ、きっとこちらに指でも指したのだろう。カーテンが静かに開かれた。
「あの~」
ショートヘアー、グット! 人は第一印象が大事と言うが、絶体おひとやかな性格で優しい気持ちの持ち主に違いない。
「えへん! いいから座りなさい。カーテンは閉めてよね」
「はい」
おい、亜理砂。この人は後に部の継続に関わるかも知れなくなる人の一人なんだぞ。聞いたことは無いのか、お客様は神様だ。
「取り合えずこれを読んで」
「あ、はい」
謎のプリントを亜理砂が彼女に差し出した。[部の決まり事]そう、書かれたプリントを。
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