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「ちっちっち。甘いわよワトソン君」
「ワト、ワト?」
ワトソン君って俺の事なのか!? おいおい亜理砂、俺を見るんじゃない。
「真央ちゃんが欲しいのは彼氏が浮気をしてるのかどうかよ。それで、浮気をしてようが、してまいがそんな事は私達には関係ないわ。依頼人の依頼を遂行する。それが探偵よ」
「……」
亜理砂の真剣な眼差しに押し負けた。亜理砂の言う事に一律あるかも知れない。だが、それを言うところを間違ってるだろ、少なからずその依頼人の目の前だぞ。それに俺が所属する場所は探偵ごっこみたいな部活動だっつーの!
そう言えば、亜理砂が語り終わった時にカーテンの向こうから「うい」などと言うタクトの声が聞こえた。あいつの事だ、パソコンで何かのアニメを見ながら適当に頷いていたんだろう。俺と同じ年のくせに何とも腹立たしい。
「じゃあ、真央ちゃん。彼氏の名前とクラスを教えてくれる?」
「3ーJ、島田 勇人(シマダ ユウト)です」
――こうして、アリサ探偵団の"部活動"が始まってしまう事になってしまった。
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