594人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
未練、タラタラ。
情けない。
あたしは、ネックレスを首から外し捨ててやろ うと、一人、屋上に続く階段を一段、また一段 と登って行く。
階段を登り終え、屋上に出る扉が顔を覗かせ た。
手をかけ、グッと力を入れて押すと。
重厚のある音がギギギっとなった。
「空いてる……」
正直、空いていないと思っていたあたしは、突 然の風に、目を細める。
季節は夏。
生暖かい風が、気持ち悪い。
最初のコメントを投稿しよう!