気付く

4/6

594人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
そして、足を1歩。 踏み出し、周りを見渡す。 風が勢いよく、吹き抜け、あたしの髪を掻き乱 す。 そこまで長くない髪を、あたしは押さえながら 再び前を見る。 髪のカーテンを開けると、そこには一番見たく なくて、聞きたくない光景が広がっていた。 甘ったるい声。 この生暖かい空気に合うくらいの、濃厚な絵。 郁斗と、女が貪りあう姿。 まるで動物。 フェンスに手をかけ、色濃いオーラを放っていた。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

594人が本棚に入れています
本棚に追加