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そして、足を1歩。
踏み出し、周りを見渡す。 風が勢いよく、吹き抜け、あたしの髪を掻き乱 す。
そこまで長くない髪を、あたしは押さえながら 再び前を見る。
髪のカーテンを開けると、そこには一番見たく なくて、聞きたくない光景が広がっていた。
甘ったるい声。
この生暖かい空気に合うくらいの、濃厚な絵。
郁斗と、女が貪りあう姿。 まるで動物。 フェンスに手をかけ、色濃いオーラを放っていた。
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