君と見た空

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━23━ 朝の陽射しに包まれた診察室 吸い込まれるように キスをした 『…まだダメだよ まだ…足りない…』 キスの合間から 囁く霧生さんの声に 唇の温もりに 泣きたくなるくらい …幸せで 何度も降ってくる 甘いキスは 全身の力が… 抜けてしまいそう そう思ったとき 霧生さんの唇が ゆっくり離れた 『…はい、今日はここまで…ね?』 コツン…と額を重ねて 擽るように囁くから 何だか…急に恥ずかしくなる 『クスッ…』 ………? 『翠ちゃん、顔真っ赤』 『……っ///』 『…そろそろ人が来ちゃうからね 僕は別に見られても構わないけど』 なんて 悪戯っぽくペロッ…って舌を出したりして …もう…っ 『…っ… 診察の準備してきます…っ!!』 これ以上赤くなった顔 見られないように 霧生さんの胸を軽く押すと 離れる事を許さないとでも言うように 両腕をしっかり掴まえられてしまう 首筋に埋められた霧生さんの顔 首を掠める霧生さんの柔らかい…髪 『…ちょっ…霧生さんっ』 『…ここは病院 霧生…先生…ね?』 …あ… 『…すみません…っ… でも…っ… 霧生先生!!』 『…ん?』 『…人が来ちゃいます…っ…』 『そうだね』 そうだね…って…っ!! 首に感じるのは 霧生さんの唇が這う感じ 啄むような愛撫に 声が…っ… 『…ん…っっ 先生…っ…やめ…っ!!』 『んー…?』 ちゅ…ちゅっ… ………っっ!! 一瞬 首筋にピリッ…とした感触が走る 『…ん…っ…んんー…っ!! 先生…っ…っ!?』 今の傷みは… 間違いない 『…君は僕のもの ちゃんと印… 付けておかないと…ね?』 『…だからって… こんな見える所に…!!』 『見えない所じゃ 意味ないじゃない』 ~~~~~っ!! 『…恥ずかしいじゃないですか…っ』 【ごめんね】 なんて ニッコリ笑ってるけど…っ 悪いなんて思ってるんだろうか …思ってないよね そんな事…わかってた 昔と変わらないから
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