君と見た空

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業者さんに声を掛けられた事 霧生先生が知ってた もう…悠太君ってば 先生に言っちゃうなんて 霧生先生 怒って業者さん返しちゃったけど 大丈夫なのかな… 勝手に取り引き打ち切りにしちゃって 土谷さんに知れたら… 『あの…霧生先生 この事… 土谷先生に知れたらどうなっちゃうんでしょう…』 『あー…もちろん長いお説教だね 僕も…君も』 『…ですよね』 やっぱり…私も…だよね 『今、私もか… って思ったでしょ』 ……っ!! 『…あ…あはは』 霧生先生 読心術があるんじゃないですか? 『…君のせいなんだからね』 『え…っ…』 視界に飛び込んできた 先生の…薄茶色の瞳 人差し指を 私の唇に充てて すっ…と撫でる その感覚に 身体が…熱くて 『やっと…僕の物になった君が 他の男に口説かれてるなんて 我慢できるはずないじゃない』 至近距離 そんな風に囁かれたら ドキドキしちゃう 先生は…そんな私の事なんて きっと全部お見通し でも 『霧生先生って… 女性に対して 独占欲ない人だと思ってました』 『んー…基本あんまりないけど 君だけは別 それは…きっと昔から』 フワッ… …っ 身体を包むコロンの香り 霧生さんの腕が 背中で優しく交差する 『だから… 今夜は…お仕置き …うちにおいで?』 『霧生先生の…?』 『もちろん』 先生の家… 学生の時以来… 『…お邪魔が来たから 続きはその時…ね?』 …え チュッ… 不意に奪われた唇が 離れた時 ━ガチャッ━ 『純!! てめぇ…っ!! 勝手に業者切ってんじゃねぇ!!』 『さすが地獄耳の土谷さん 情報早いですね』 びっ…くりしたぁ… 突然入ってきた土谷先生の怒鳴り声を 横目に聞きながら 学生時代以来の先生の家にドキドキ… 昔と違う感情に 心臓が…煩いよ
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