君と見た空

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一通り自己紹介が終わると みんなそれぞれの担当科に戻って行った 特別なオペがない限り この医療チームは動く事はないから 普段は自分の担当科で診療を行っているって話だった もちろん私も 何処かの科に配属されるだろうけど… 『おい、翠』 『はい』 『お前は純に付いてくれ 一応小児科に行ってもらうが本業は外科だ 純が小児科なら小児科 外科に呼ばれたら外科 大変だろうが… お前にしか頼めねぇ仕事だ 他の看護師じゃ 純の奴 言うこと聞きやしねぇ』 ……霧生さん どれだけ面倒なドクターなんですか… 横で珈琲を口にしてる霧生さんを見ると クイッ…と口角を上げて 『ん?…なぁに?』 『いえ… …お手柔らかにお願いします…』 『あははっ… それはどうかな』 でた…っ… この顔 絶対…いじめられるんだ 【…君 そんなのもできないの?】 【…泣くならやめちゃいなよ】 ああ…昔の記憶が甦る… 『純… 翠以外付けるなって 言ったのはてめぇだろうが!! 俺は今からだって こいつを他のドクターに付かせてもいいと思ってるぜ?』 『…冗談ですって… 僕が彼女をいじめるはずないじゃないですか…』 …ほんとですか? …ほんとですよね…っ 前の病院では ドクター相手に言いたいことは何でも言ってきた けど ここではそれが どれだけ通用するか 国内有数の 技術の長けたドクター達を相手に 絶対無理。 それに私は 昔から霧生さんにだけは… 敵わない 意地悪言われて 泣かされたって 必ず 【…いつまでもそのままの 素直な君でいてね】 って 笑う彼に …負けちゃうから
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