君と見た空

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『次は心電図と採血 …その後はレントゲン 最後に内科ね』 担当看護師に言われた通りに 検査科に向かう 心電図かぁ… 引っ掛かるかもしれない… ある程度の予想ができるから 検査室までの道のりに 足が重い 『お願いします…』 漸く着いた採血室 ドアを開けると 永瀬さんがちょうど採血されてる途中だった 『おっ…翠ちゃんも来たのか それより見てくれよ!! この血管!! こんなに浮き出てるんだぜ?』 『凄いですね… 針射しやすそうです』 『だろ~? 皆に見せてやりたい気分だぜ』 隣に座って 私も腕を出すと 看護師がトントン…と指で刺激する けど 『水木さん…ちゃんと食事してる? 血管…出ないよ?』 『すみません… あんまり食欲なくて… 一番細い針でもダメですか?』 …やってみるね そう言いながら なんとか規定量採ってもらって 次の心電図に回される 受付にいた看護師が 私の顔を覗き込んで 『…血…採られすぎたんじゃないですか? 顔色…真っ青ですが 途中…体調が悪くなったら担当に言って下さい』 と… 問診票にチェックをして ベットまで案内してくれた ベットに横になると 途端に目眩がして ああ…やっぱり …貧血なのかな…なんて あんな量採ったくらいじゃ…変わるはずないのに どうしても貧血のせいにしたくて 心電図の音を聞きながら 目を閉じた 『…………… …すみません… もう一度…とらせてくださいね』 もう一度… 異常が出た証拠だ
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