君と見た空

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……暇だな “一度家に帰って来るね” そう言って出て行った母 一人でいる病室は 思った以上に…寂しい ベットに腰をかけて 身体だけ横になってみると 視界に飛び込んできた 窓の外の青い空 流れる雲… その雲はゆっくり形を変えながら 左へ…左へと移動して 私の視界から消えていく こんな風に空を見るなんて久しぶりだな… 吸い込まれそうな空の青さと 消えていく雲 何でもない風景なのに なぜか…涙が出る やだ…っ なんで止まらないの… 私…悲しくないのに 全然…大丈夫なのに…っ なんで… 涙が…出るの…… ━…トントン… ………!? 【…翠ちゃん、入るよ…?】 ……っ…!! 霧生さん…っ
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