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午後になって
南さんから医局に集まるように
指示が出た
翠ちゃんの検査結果が出たって
部屋には僕の他に
南さん、土谷さん、鮎さんがデスクを囲んで
数枚にわたった
検査結果を広げている
『…こりゃ…厄介だな』
鮎さんが
ため息をつきながら
僕に検査結果を差し出した
……………
これは…
『確かに厄介…ですね』
━虚血性心筋症━
心臓病の中でも続発性
心筋梗塞の合併症
カテーテル治療は…
もう無理
『…どうする？
こいつは重症化すれば心臓移植にもなりうるが…
まだ翠の場合は
そこまでいってねぇ』
少しでも希望を…
そんな鮎さんの思いが
伝わってくる
『そうは言っても
このまま放置すれば…
悪化は免れねぇよ
…どうする…純』
『…ここは霧生君の専門ですし…
あなたの判断に任せますよ』
カテーテルは無理だけど
オペができる状態だったことは幸いだった
ただ…
長時間のオペに
翠ちゃんの心臓が
…耐えられるか
このままにしたら悪化は免れない
でも
オペをすることで繋ぎ止められるかもしれない命も
失敗したら…そこまで
どうする…
オペに踏み切るか…
……………………
『…成功率は…10%
左心室形成術
彼女を生かすには
…これしかないよ』
必ず助けてあげる
そう約束したんだ
何もしなければ確実に
死を迎える事になる
だったら…答えは一つ
『…やるんだな…？』
土谷さんが
確認の意を問う
『…はい、やります』
『…では…執刀は…』
『僕が立ちます』
みんなの視線が
僕に集まる
『よし…わかった
全員で純のサポートについて
必ずこのオペ
成功させるんだ』
『…全力でサポートさせて貰いますよ』
『せっかく取った国際医師免許
無駄にさせる訳にいかねぇよな』
……っ…!?
なんで…知って…っ…
『…土谷さん喋っちゃったんですか？
口止めしておけばよかったな』
『てめぇを辞めさせる訳にはいかねぇんだよ』
苦笑いを浮かべて
いつもの口調に
少しづつ…見えてきた光
大丈夫…
…必ず…
君を生かしてみせるよ
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