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『…翠は助かりますか…？』
検査結果をご両親に報告する為に
相談室に来てもらって
一通りの説明を済ませた所で
彼女の父親が一言
一番の不安を口にした
『…この手術は難易度の高いオペです
彼女の心臓が耐えられるか…
正直…大丈夫という保証は…できかねます
成功率で言うと…10%』
『…10%…っ…』
ご両親の言葉にならない声と
震えている身体
母親は父親の肩にしがみついて
必死で立っている
『…でも…
何もしなければ確実に悪化して
命も長くは…持ちません
ですから…
オペをして動脈硬化の危険因子を取り除きます
長いオペになりますが
翠ちゃんが頑張ってくれるはずなので
必ず…成功させてみせます
ご両親にもオペの許可を頂けますか…？』
成功すれば生
失敗すれば…死
この選択は…彼女の命の選択
そこまで黙って聞いていた母親が
意を決したように
一つ…息をついた
『執刀は霧生先生ですよね…？
霧生先生に執刀して貰えるなら…
あの子は頑張れると思います
もしもの事があっても
あなたの執刀での最期なら幸せだと思う
このままにしていたら死は免れないと言うのなら
それなら…
霧生先生とあの子の好きなようにさせてあげたい
あの子はそれを望んでいるはずですから…
ね…？お父さん』
『ああ…
翠の人生だ
翠が望むようにさせてあげたい
ですから…
娘の事は
…先生に全てをお任せします
翠を…宜しくお願いします…っ…』
…と
ご両親が涙を堪えながら
深く頭を下げた
『はい…必ず…
彼女の命は僕の命
…そのものですから』
僕の言葉にご両親が
ふ…と頬を緩ませた
『…翠は…
…幸せだったんですね…
昔から
先生の話をする時の娘はいつも嬉しそうで…
そんな先生が翠の彼氏で
こんなにも翠を愛してくださって…
本当に…よかった…』
堪えきれなくなった涙を
押さえる母親
そんなご両親に
僕が伝えるとすれば
『…その言葉は…
オペが終わったらもう一度…
彼女と一緒に聞かせて下さいね』
オペが…終わったら
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