君と見た空

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━カタン…━ ………? なん…の音…? 朝から続く怠い身体は まだ重くて 眠気の残る頭は 朦朧としている 人の気配を探るけど… 誰もいない …お母さんが出て行った音かな… 重い身体を起こして 時計を見ると …三時…か 三時なら… もう…検査結果…出てるよね 霧生さん… まだ来ないのかな… 結果は… どうだったんだろう 窓の外を見ると 朝からの曇り空は 晴れやかな空に変わっていた 『…窓…開けよ』 きっと 気持ちいい空気が吸えるはず ベットを降りて 窓に手を掛けようとした その時 ……っ…!? 『…っ…うっ…!!!』 …いっ…た…っ…!!! くる…っ…しいっ… 鷲掴みにされたような痛みが 胸を苦しめる 痛くて…苦しくて 息…が…っ…できない ベットの脇のナースコールに手を伸ばすけど あと少し…届かない 誰か…っ… お願い……っ 必死で ベットまで這っているつもりでも 全く身体がついていかない 苦しい…っ… こんなに長く発作が続くなんて…っ 初めて…っ… 『…っ…はぁ…っ… ……う…っっ…』 深呼吸も……っ… できな…い…っ もう…ダ…メなのかな… 私…このまま… 意識が遠のいた瞬間 ━バタン…ッ…!!! 『翠…っ!!』 ……っ…!! 霧生…さ…ん…?
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